日本臨床睡眠医学会
~日本に境界なき睡眠医学を創る集い~

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第3回 ISMSJ学術集会 ハンズオンセミナー

2011 年 9 月 26 日

 私は脳波の経験もない呼吸器内科医です。当院のPSG検査は装着も終夜監視も解析も全て技師さん任せです。「睡眠・呼吸センター」と看板を掲げてチーム医療を行う上でこのままではいけない!と思い、初心者対象のこのセミナーに勇気を出して申し込みました。

 セミナーは三上章良先生の「PSGとは」の講義からスタート。PSGを、臨床睡眠医学を学ぶことの大切さとともに楽しさを教えていただき、やる気アップ。

 続いて谷口充孝先生の「PSGのスコア方法」の講義。オリジナルテキストでsleep stagingの基礎~判定、arousalのスコアリング方法、呼吸イベントのスコアリング方法とスピーディに解説していただく。全くの初心者の私はついていくのに必死、
でも自分で成書を読んでも全然頭に入らなかったことがどんどん吸収できていく感じで嬉しい。

 そしてメインイベントのPSGのスコア実習へ。5~6名のグループに分かれ、各1名の実技指導者(私には雲の上のRPSGT資格保持者)がついて下さり、紙記録のraw dateをまさにハンズオンでスコアしていく濃密な贅沢な実習。紙記録を初めて見る私の低レベルな質問にも優しく答えていただき感謝。豊富な経験に基づくちょっとした余談にも感動。

 最後に、三上章良先生よりPSG中にビデオ記録されたPLMsやRBDの画像を見せていただき、PSGにはサマリーデータの数値だけではわからない貴重な情報もつまっていることを再認識。「本日の講師もかつては受講生でした。本日の受講生も将来講師として参加してください。交通費すら出ませんが(笑)」という励ましのお言葉をいただき閉会となりました。

 今回参加させていただいて、PSGを知ることの喜びと、今まで知らずに診療してきたことの怖さを思い知り、もっと勉強したいという気持ちが強くなりました。また、PSGに携わる技師さんの労力に改めて感謝し、もっと情報を共有して診療に生かしたいと思いました。このセミナーを手弁当で企画運営し、知識・技術・経験を惜しげもなく伝承して下さろうとする、熱意と愛にあふれた講師の先生方、本当にありがとうございました。

(KKR高松病院 睡眠・呼吸センター 荒川裕佳子記)

8月28日(日) プログラム
09:30~13:30
ハンズオンセミナー
終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)のスコアリングを学ぼう
【座 長】三上章良
1)PSGとは
大阪大学 保健センター: 三上章良
2)PSGのスコア方法
大阪回生病院 睡眠医療センター: 谷口充孝
3)PSGのスコア実習
少人数のグループに分かれ実技指導者と共にスコア実習を実施
【実技指導者】
掛川市立総合病院 診療技術部検査室: 赤堀真富果
天理市立病院 臨床検査室: 千崎香
徳島大学病院 診療支援部 臨床検査技術部門: 中内緑
大阪大学医学部附属病院 睡眠医療センター: 野々上茂
関西電力病院 臨床検査部: 丸本圭一
大阪回生病院 睡眠医療センター: 村木久恵

※講師・実技指導者は全員RPSGT資格保持者です

少人数のグループに分けて実習指導者を配置し、初心者を対象にPSGのraw dataをスコアしていきます。